藻から石油は嘘っぱち!

渡邉教授自身の著作(渡邉、2010)によれば従来のボトリオコッカスは光合成で5.9〜13.7 L/m2/yの炭化水素を作る。太陽からのエネルギーは平均で342 W/m2、144 W/m^2は大気で反射・散乱・吸収され、地表へは198 W/m^2届く(在田ら、2010、p. 223)。そんなわけはないがエネルギー量を最大に見積もるためにアルベドを0として、面積1 m2の水槽には198 W→6.2 GJ/y 。灯油は35 MJ/Lだからたぶん207〜480 MJ/m2/yで効率3〜8%。

朝日新聞によると、オーランチオキトリウムは下水などの有機物から従来のボトリオコッカスの10〜12倍の量のスクアレンを作る。10〜12倍は59〜164 L/m2/y→51〜141 kg/m2/y(スクアレンの密度は0.858 g/cm3)→510〜1410 t/ha/y。C30H50、沸点285度だからジェット燃料、軽油、灯油相当か?

2万haだと約2億tの石油が生産され、日本の石油消費(約1.9億t)を賄える見通しなどと書いてあるが、上記から1000万tから2800万tしかできないはずである。また、人は1日約200 gのうんちを排出し、その水分は60%程度である。したがって、1億3000万人のウンチの固形分は380万トンしかない。不足分は中国から輸入するのか?

結論:収量を少なくとも7倍ごまかしている。

引用文献

在田一則ら(2010)、地球惑星科学入門、北海道大学出版会

渡邉信(2010)、緑藻類ボトリオコッカスの有機排水利用性と産生オイルの特性、化学工学会研究発表講演要旨集, Vol. 2010f, pp.157-158