マグネシウム文明

マグネシウムを燃料として使うというのをNHKで見た。ある大学の先生が提唱している話で、海水を太陽光励起レーザーで淡水化する。そのとき、塩化マグネシウム→酸化マグネシウム→金属マグネシウムとしてマグネシウムを取り出すという。金属マグネシウムを水と反応させてエネルギーを取り出し、生成した酸化マグネシウムは太陽エネルギー励起レーザーで金属マグネシウムにリサイクルするという。金属マグネシウムの燃焼により生じるエネルギーを製錬に必要なエネルギーで除すと45%(効率といっているようだ)だそうだ。一方で太陽光励起レーザーの効率は2%といっている。これもおかしな話。

ありえないが仮に地中に金属マグネシウムが塊で大量に埋まっていれば、採掘して合金等に使用して余りを燃やしてもいいと思うが(もちろん灰はそのまま何かに使うか即時に廃棄!)、100の太陽エネルギーをわざわざ45(2だと思うのだが...)にするくらいならそのまま使った方がずっとよくないか?せめて太陽発電するのがごく普通の考え方であろう。電気は貯められないですからといっているが、充電池だってあるし、そういう不安定な電源に対応するためにスマートグリッドとか研究してるんじゃなかろうか。別にマグネシウムに貯める必要はないし、貯めたところで、それは、電池や水素をマグネシウムに換えてみましたというだけのことで、マグネシウムはエネルギー源ではない。エネルギー源はこの場合太陽だ。

さらに、MgOにエネルギーを加えてMgにして(このときも効率たったの2%)、MgをMgOにするときのエネルギーを使う?それはできるだろうけど、水車のエネルギーで川の水を運び上げて、その川の水で水車を回しているようなものだよ(しかも効率2%)。外部からエネルギーを補給しないととまるだろうし、ハツカネズミがねずみ車を回すよりもたちが悪く、新規産業を創設して失業率を改善する以外に何の意味もない。私は無駄は大事だと考えているがここまで無駄なことはやめたほうがいいのではと真剣に思う。どうせエネルギーを使ってリサイクルするなら合金等の原料にするべきだと思うし。

NHKは素人さんの集合だからどうでもいいが、ちゃんとした大学の工学部の教授がそんなことをいうなんてあり得ない。しかも国際的に活躍していると紹介されているから世も末か。遊びでやるなら勝手にやってくれていいが、そのための税金など請求されたら本気で国外逃亡を考えたい。

参考:太陽光発電の効率:10〜20%、マグネシウムの分子量24.305、燃焼熱601.7 kJ/mol(24.8 MJ/kg)、ガソリンの熱量46 MJ/kg、金属マグネシウムの価格300円/kg。