ひずみに基づいた岩石の構成方程式

構成方程式といえばなんだか凄いもののように思いますが、応力とひずみとの間の関係式です。一番簡単なものは、軸応力をσA、軸ひずみをεA、ヤング率をEとして、

εA = σA / E

でしょうか。でも、これでは、載荷軸のひずみしかわからないので、2次元にして等方な線形弾性体を仮定すれば、

εx = σx / E - ν ( σy + σz ) / E
εy = σy / E - ν ( σz + σx ) / E

となります。ここでνはポアソン比、σzは条件(例えば、平面ひずみ、平面応力)によって変わります。

取りあえずこれで色々な数値応力解析もできるのでこれらの式は大変有用なわけですが、実際の岩石の応力とひずみの関係は最大荷重点前から非線形性を示し、その後は、多くの場合ひずみ軟化挙動、ときにはクラスII挙動を示します。そのような複雑な挙動を表すにはそれなりの工夫をしなければならず、様々な構成方程式が提案されています。

私の提案している構成方程式は以下のようなものです。

σx = A'(εx) εx + B εy
σy = A'(εy) εy + B εx

ここで、A'(ε)は伸びひずみに伴ってその値を減じる関数です。これらの式は、軸応力−軸ひずみ−周ひずみの軌跡が、これらを座標軸とする空間内のある平面上にほぼのっているという観察、ならびに、伸びひずみによるクラックの開口が見掛けの弾性定数の減少をもたらすという仮定から導かれました。

A'(ε)の関数形について適当に仮定して応力−ひずみ線図を求めてみると、岩石の変形・破壊挙動の特徴と考えられる、

  • クラスIIを含むひずみ軟化挙動
  • 引張強度より圧縮強度の方が大きい現象
  • 封圧と共に強度が増加する現象
    をうまく表す事ができました。実際の岩石について得られた応力−ひずみ線図も、定数を調整すれば、ある程度近似することが可能です。なお、この構成方程式では伸びひずみに基づいた破壊条件が成立します。

    応力−ひずみ線図の例(定数BによってクラスI、クラスIIが現れている)